6GWS-250041 NTNに関する6Gシステム推奨事項 詳細解説

文書番号 6GWS-250041
タイトル Vision and priorities for 6G system for the support of satellite access
ソース Thales
会議情報 3GPP TSG RAN 6G Workshop Meeting
Incheon, Republic of Korea, March 10-11th, 2025
議題 Vision & priorities for next generation system architecture, core networks and protocols

Introduction

概要 本文書は、6Gシステムにおいて衛星アクセス(NTN)を最適にサポートするための能力を提案するものです。
6Gの対象サービス全般が、NTNの展開シナリオに適合する往復遅延や帯域幅の条件を満たす場合、衛星アクセスで提供可能と仮定しています。

Recommendations on 6G system for the support of Satellite access (NTN)

【Service】

概要:6Gシステムが提供する全サービスは、NTNの特性(往復遅延・帯域幅)に適合する場合、衛星アクセスでサポート可能とする。

【Broadcasting service】

技術的課題:
衛星ネットワーク(NTN)では、無線セルが国境を越えて広がる可能性があり、放送サービスは各国の規制対象となる。

推奨事項:
6Gシステムは、衛星アクセスによる放送サービスに対して、対象地域に限定するジオフェンス機能を提供すること。

【Network architecture: Mesh connectivity】

技術的課題:
フィーダリンクが利用できない地域(例:海洋、リンク障害時)でもサービス提供が必要。
また、同一または隣接の衛星でサービスされるUE間(UE – Satellite – UE)の遅延最適化が求められる。

推奨事項:
6Gシステムは、フィーダリンクの有無に関わらず、セキュリティ要件を満たしながらUE間のメッシュ接続(UE-SAT-UE)をサポートすること。

【Network architecture: Network entry/idle mode and connected mode across orbit】

技術的課題:
マルチ軌道のスペースセグメントにおいて、RRC接続状態、シグナリング最適化、トラフィックパターンに応じ、GSO(静止衛星)とNGSO(低軌道衛星)の利用を使い分ける必要がある。

推奨事項:
6Gシステムは、マルチ軌道衛星ネットワーク環境下で、柔軟にGSOおよびNGSOアクセスを利用してUEをサービスする機能をサポートすること。

【Network architecture: Access and backhaul via satellite】

技術的課題:
衛星アクセスを利用して、航空機、船舶、列車などの搭載ネットワークへのバックホールサービスも提供する必要がある。

推奨事項:
6Gシステムは、最大1Gbpsの高容量バックホール接続をサポートし、ノード間リンク管理および輸送ソリューションを含むバックホール機能を提供すること。

【Network architecture: Space edge computing】

技術的課題:
特定のサービス衛星からコンテンツ配信や統合通信・センシング(Integrated Communication And Sensing)などのローカルサービスを提供できる能力が必要。

推奨事項:
6Gシステムアーキテクチャは、衛星上でエッジ機能を展開できるようにするとともに、次のサービス衛星へのコンテキスト転送をサポートすること。

Conclusion

結論・提案
  • Proposal 1: 上記の推奨事項を6Gシステムの定義に反映するよう、TSG-SAに検討を求める。
  • Proposal 2: 6Gコアネットワークにおける衛星アクセスのサポートを最優先で検討するよう提案。
  • Proposal 3: その他の推奨事項について、6Gのどのリリースで対応すべきか、さらに議論するよう求める。

※ 本文書は、6GWS-250041 NTNに関する議論および提案事項をまとめたもので、衛星アクセスを6Gの主要機能として確立するための方向性を示しています。