NR NTN 機能強化の要約

項目 説明
概要 Rel-18における非地上ネットワーク(NTN)の機能強化をカバー。Rel-17でのNTNソリューションに対する拡張機能。
アップリンク強化
  • Msg4 HARQ-ACKのPUCCH反復
    • 1,2,4,8回の反復をサポート
    • 単一値または複数値を構成可能
      • 単一値の場合、その値が反復数
      • 複数値の場合、DCI format 1_0のDAIフィールドで指示
    • 既存の反復スロットカウント機構を適用
    • 既存のMsg4 HARQ-ACK用PUCCH周波数ホッピング機構を適用
    • RSRPしきい値に基づく能力報告
      • しきい値が構成され、測定RSRPがしきい値を下回る場合のみ能力報告
      • しきい値が構成されない場合は常に能力報告
    • 専用PUCCH資源が割り当てられるまで同じ反復数を使用
  • NTN特化のPUSCH DMRS バンドリング
    • 伝送遅延変動に対する位相連続性維持
    • UEとULタイミング同期基準点間の伝送遅延変動の影響を考慮
FR2-NTNサポート
  • 17.3-20.2 GHz (DL)、27.5-30.0 GHz (UL)の新バンド導入
    • n512 (27.5-30.0 GHz UL, 17.3-20.2 GHz DL): CEPT ECC Decision適用
    • n511 (28.35-30.0 GHz UL, 17.3-20.2 GHz DL): 米国FCC規制適用
    • n510 (27.5-28.35 GHz UL, 17.3-20.2 GHz DL): 米国地球局運用用
  • 固定/移動VSATのクラス・タイプ定義
    • GSO/LEO、機械式/電子式アンテナ種別
    • 単一ビームのみサポートを想定
  • その他FR2-NTN固有の制御
    • Rel-17と同じK_offsetおよびK_MAC値範囲を使用
    • 15 kHzを参照SCとしてK_offsetおよびK_MACを示す
    • VSAT用機械式ビームスイッチングに対応するため、追加のMACCE TCIディレイを導入しない
    • セルサーチ手順でケースDおよびケースEを使用してFDD動作を許可
    • TA報告の粒度は、K_offsetに使用された参照SCSと同じ
    • PRACHの構成にTS 38.211の表6.3.3.2-4を使用
UE位置検証
  • 単一衛星視界下でのマルチRTTによるUE位置検証をサポート
    • 位置検証の目標精度は10km (3GPP TR 38.882に準拠)
    • 以下の測定値を報告
      • gNB受信-送信時間差 (ULタイミング同期基準点)
      • UE受信-送信時間差
      • UE受信-送信時間差サブフレームオフセット
      • DLタイミングドリフト
    • 報告される支援情報
      • 測定時の詳細な衛星位置・速度 (エフェメリス情報)
      • 共通TAパラメータ (ta-Common, ta-CommonDrift, ta-CommonDriftVariant, 時刻)
    • UE機能はオプション、手続きはCNからトリガー
モビリティ管理強化
  • 衛星間・gNB間・RATアクセス間のモビリティ
    • NTN⇒TN
      • 新しいSIB25でTN範囲と周波数情報をブロードキャスト
      • UEは範囲外ならTN測定をスキップでき、電力節約可能
    • TN⇒NTN
      • TNセルがSIB19で隣接NTN衛星の軌道情報をブロードキャスト
      • UEは軌道情報を使ってNTNにアクセス可能
  • RACHレスハンドオーバー
    • ハンドオーバー時のRACH手順を回避してシグナリングを軽減
    • gNB間ハンドオーバー、および給電切替/衛星切替でサポート
  • 条件付きハンドオーバー
    • 時間ベースのトリガー条件をサポート (既存機能)
    • 位置ベースのトリガー条件をサポート
      • 移動する地球固定セルの参照位置をセル再選択手順で更新
      • 新しいCondEventD2イベントで、ソース/ターゲットセルの参照位置と距離しきい値を含む
    • 時間ベースの条件付きハンドオーバーをRACHレスハンドオーバーと組み合わせ可能
  • 衛星切替時の再同期機能
    • ハードおよびソフト切替の両方をサポート
    • L3モビリティ手順を実行せず、同じPCIを維持
    • 同じSSB周波数と同じgNBを前提
    • ソフト切替ではソース/ターゲット衛星のSSBが時間的に重ならない限り、両方に接続する必要なし
    • 条件付きハンドオーバーと同時に構成可能
30MHz CBWサポート
  • FR1のn256、n255でCBWを30MHzまでサポート
    • RF要件のみ規定 (第5章 運用周波数帯とチャネル構成)
    • その他の要件はRel-17から規定予定